長崎、佐世保、雲仙3市 宿泊施設の安全認証開始 コロナ対策、長崎大が指針監修

宿泊施設の担当者から、宿泊客の検温装置の説明を聞く審査員(右)=雲仙市小浜町

 長崎、佐世保、雲仙3市と観光団体などは、独自のガイドラインに沿って新型コロナウイルスの感染防止策を講じた宿泊施設を認証する事業「チーム・ナガサキ・セーフティー」を開始した。長崎大医学部の監修で、ガイドラインと防止策を解説する従業員向け教材動画を作成。審査に合格した施設には、認証を示すポスターとステッカーを配布し、各市の観光サイトで取り組みなどを紹介する。産学官が連携し、安全安心な旅をPRすることで誘客につなげていく。
 事業は、本県観光をけん引する3市と各市の観光団体、旅館組合などでつくる新型コロナウイルス予防対策認定実行委員会(豊饒(ぶにゅう)英之会長)が運営する。

「チーム・ナガサキ・セーフティー」の認証ステッカー

 認証を希望する各市内の宿泊施設にガイドラインの実践や教材動画による従業員教育を義務付ける。実行委メンバーが宿泊施設を訪れ、消毒設備の設置や定期的な換気といった基本対策のほか、感染が発生した場合の隔離エリアの確保や保健所への連絡体制の構築など同大医学部が監修したガイドラインに沿って、55項目の感染防止策をチェック。項目は社会情勢に合わせ、同大医学部の意見を反映させながら見直していく。
 今月、本格始動し、実行委によると27日現在、3市で計111施設を認証。申請は12月末まで受け付け、順次認証施設を増やしていく方針。
 豊饒会長は「コロナ禍で旅の形は大きく変化し、観光業はそれに対応していく必要がある。ポスターなどで認証を打ち出すことで利用客に安心感を与え、観光振興につなげていきたい」と述べた。


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