フィリーズはリアルミュートよりもヘンドリックスを狙うべき?

フィリーズは2011年以来9年ぶりのポストシーズン進出を目指した今季、ブルペンが両リーグワーストの救援防御率7.06と崩壊し、あと1勝届かずにポストシーズン進出を逃した。今オフは2年前のオフにトレードで獲得したJ・T・リアルミュートがフリーエージェントとなり、彼との再契約が最優先事項となっているが、「ブルペンの補強を優先すべき」との声も上がっている。そして、そのターゲットに浮上する可能性があるのがアスレチックスからフリーエージェントとなったリアム・ヘンドリックスだ。

「MLBネットワーク」のロン・ダーリング(メジャー通算136勝の元投手)は「フィリーズはクローザーの獲得を優先すべき」と考えている人物の1人だ。ダーリングは「リアム・ヘンドリックス(を獲得すること)は本当にフィリーズのためになると思う。彼は才能に加えて度胸や意志の強さも持っている。フィリーズのブルペンにそうしたものをもたらしてくれるだろう」とヘンドリックスを高く評価する。

現在31歳のヘンドリックスは、今季24試合に登板して25回1/3を投げ、3勝1敗14セーブ、防御率1.78、37奪三振をマーク。75試合で防御率1.80を記録した昨季に続いて好成績を残し、マリアーノ・リベラ賞(アメリカン・リーグ最優秀救援投手賞)を初受賞した。それだけでなく、アストロズとの地区シリーズでは、チームが唯一勝利した第3戦で7回からの3イニングを無失点に抑える力投を見せ、勝利投手となった。

フィリーズの現時点での予想年俸総額は1億3000万ドル前後となっており、ぜいたく税の対象となる年俸上限まではまだ余裕がある。しかし、新型コロナウイルスの影響もあってどれくらいの資金を補強に使えるかは不透明であり、現実的にはリアルミュートとヘンドリックスの両方と契約するのは難しいだろう。有望株を放出して獲得したリアルミュートを引き留めたい一方で、ブルペンにも大きな課題を抱えるフィリーズは、移籍市場でどんな動きを見せるのだろうか。

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