発展続ける書の魅力堪能 「神奈川書家三十人展」開催 横浜

熱心に作品を鑑賞する来場者ら=横浜市民ギャラリー

 神奈川を代表する書家30人の新作を紹介する「神奈川書家三十人展」が25日、横浜市民ギャラリー(同市西区)で始まった。会派や流派を超えて約50点が並び、多彩な書を堪能できる。29日まで。入場無料。神奈川新聞社の主催。

 漢字、かな、近代詩文書、大字書、前衛書、篆刻(てんこく)、刻字など、さまざまな書の分野が一堂に会し、伝統を踏まえながら発展を続けている現代ならではの書の魅力を楽しめる。

 伊勢原市在住の齊藤紫香(しこう)さん(62)は、210センチ四方の大きな紙に和泉式部の和歌を大胆にしたためた。歌の末尾を大きな漢字の「露」で締めており、「本来は静かに終わらせるものだが、漢字の露のイメージが強く、今までとは違う作品作りに挑戦した」という。

 コロナ禍で鬱々(うつうつ)とした思いもあり「大きな紙にエネルギーをぶつけた。直球で攻めた大胆さを感じてほしい」と話した。

 会場には今年8月に亡くなった石川芳雲さん(享年90)の遺作も展示。神奈川書家クラブの代表を務めるなど長年にわたって神奈川の書道界に尽力した。

 「チャリティー小品展」の一角では、出品作家の小作品を額装して展示販売。収益は神奈川新聞厚生文化事業団に寄託される。

 会場は午前10時~午後6時。

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