セーブ王がドリスの相棒に? ブルージェイズがハンドに興味

今オフ、大型補強に動くことが予想されているブルージェイズは、ブルペンのグレードアップも視野に入れているようだ。メジャーリーグ公式サイトのジョン・ポール・モロシによると、ブルージェイズは今季メジャー最多の16セーブをマークした左腕ブラッド・ハンドの獲得に興味を示し、動向をチェックしているという。現在30歳のハンドはインディアンスから年俸1000万ドルの来季オプションの行使を拒否され、フリーエージェントとなっている。

年俸総額の削減を目指すインディアンスは、最多セーブのタイトルを獲得したハンドをウエーバー公示。これには他球団がハンドをウエーバー経由で獲得すれば、ハンドの来季オプションを破棄する際に発生するバイアウト100万ドルを支払う必要がなくなる、という狙いがあった。ところが、ハンドの獲得を希望する球団は現れず、ハンドはウエーバーを通過。結局、インディアンスはバイアウト100万ドルを支払ってハンドの来季オプションを破棄した。

この動きはコロナ禍のオフシーズンにおける各球団のリリーフ投手補強への消極性を表すものとして注目された。つまり、各球団は最多セーブのタイトルを手にした投手に年俸1000万ドルを支払うのは高すぎると判断したというわけだ。よって、ハンドがフリーエージェント市場で年俸1000万ドル以上の契約を得るのは困難であると見られている。

とはいえ、各球団がリリーフ投手を補強する必要がないというわけではない。あくまでも「各球団がリリーフ投手の補強に大金を投じるつもりがない」という話であり、リリーフ投手の補強を必要とするチームは多く存在する。実際、ハンドにはブルージェイズ以外にもドジャースが興味を示していることが報じられている。

今季のブルージェイズはクローザーのケン・ジャイルズを故障で欠き、6人の投手がセーブを記録。そのなかで最多の7セーブを記録したアンソニー・バースはフリーエージェントとなっている。現在チームに在籍しているリリーフ投手で最も信頼できるのはラファエル・ドリスとジョーダン・ロマノの2人だが、いずれも右腕。ブルージェイズにとって信頼できるリリーフ左腕は補強ポイントの1つなのだ。

今季はドリスとバースの「元NPBコンビ」が試合終盤を担当したが、来季はセーブ王のハンドがドリスの「相棒」を務めることになるかもしれない。

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