わがまち回顧2020 佐世保支社 クルーズ船事業苦戦

新型コロナウイルスの感染拡大後、初めて寄港したクルーズ客船「にっぽん丸」を見送る市民=佐世保港新みなと岸壁

 約10年先を見据えたまちづくりの指針となる新たな佐世保市総合計画が本年度からスタート。「クルーズ客船の寄港など、世界に目を向けた事業を積極的に展開する」と掲げたが、新型コロナウイルスの影響で苦戦を強いられた。
 市は国や世界大手のクルーズ会社と連携し、8月に浦頭地区に国際旅客船拠点を新設した。しかし、新型コロナで客船が入らず、供用を開始できない状況が続く。
 俵ケ浦半島に観光公園を整備する計画も変更を余儀なくされた。民間が運営するサービス棟の建設を見送り、芝生広場などだけで来春開園する。老朽化した九十九島動植物園(森きらら)の観光公園移設も検討を一時中止した。
 10月には明るい兆しも。新型コロナの感染拡大後、国内で初めてクルーズ客船「にっぽん丸」が寄港。岸壁には大勢の市民が集まり歓迎した。
 朝長則男市長は12月22日の定例記者会見で、今年を表す漢字を「忍耐の『耐』」と述べ、事業が進まない悔しさをにじませた。今後も難しいかじ取りが予想される。
 主なニュースは▽「西九州させぼ広域都市圏」に北松佐々町加入▽県警が佐世保署と相浦署の統合を検討▽「YOSAKOIさせぼ祭り」1年延期▽ハウステンボスがエイチ・アイ・エス(HIS)傘下後初の通期決算赤字。


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