10月に歩行者天国計画 国道34号の一部 市“原点の地”感じて 長崎開港450周年記念事業

歩行者天国が計画されている国道34号。TBM長崎ビル前から県庁跡地方向を臨む=長崎市万才町

 “長崎の原点の地”を歩いて感じて-。今年の長崎開港450周年記念事業の一環で、実行委事務局の長崎市は10月16、17両日のいずれも午前11時~午後5時、万才町の国道34号の一部を歩行者天国とし、イベントを展開する計画だ。市内で大規模な歩行者天国を実施するのは1976年の「環境週間」関連行事以来という。
 江戸町の県庁跡地や万才町の一帯は、かつて「長か(なんか)岬」と呼ばれた岬の突端にあった。1571年、この地にポルトガル貿易船が入り、大村町、平戸町など六つの町がつくられたのが長崎開港の起源とされる。鎖国時代には岬の先に設けた出島が西洋の産業・文化の窓口となるなど長崎発展の礎の地となった。
 市の計画によると、県庁跡地前から市役所方面に向かってTBM長崎ビル(旧住友生命長崎ビル)前に至る国道34号の約320メートルを歩行者天国にする。周辺の出島や江戸町公園、市立図書館、長崎歴史文化博物館なども加えて、各所でステージイベントやワークショップ、展示、物販、スタンプラリーを展開する。
 15日の実行委総会で正式決定後、専門部会で具体的なイベント内容を考える。市開港450周年事業推進室の橋史賢室長は「出島やシュガーロードなど450年の間にいろんなことがあった。歴史を体感できる催しにしたい」と話す。
 450周年記念事業では4月27日の開港記念日に合わせた式典や、次の50年を考えるシンポジウム(来年1月)など多様な催しを予定している。

長崎開港当時、岬の突端にあった六つの町の想像図。現在の県庁跡地や万才町に当たる(長崎市提供)

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